1番打者について語っていく。
1番打者に求められる能力
基本的打力
1番打者はチームで最も打席機会を得られる。草野球の場合だと時間制限の中の試合も多く、スタメンでフル出場したからといって3打席が約束される訳でもないのだ。当然ながら上位には確率の高いバッターを配置したい。粘り強く、不利なカウントからでも粘ってヒットを量産できるようだと心強い。長打力があればいうことなしだが、チーム事情にもよるし、本塁打より単打や二塁打を求められるケースの方が多いかもしれない。
とにもかくにも出塁する能力
基本的な打力はもちろん、四球をもぎ取る選球眼や粘る能力は欲しい。加えて内野安打や相手失策を誘発する脚力も兼ね備えておきたい。どんな形であれ1番打者は塁に出るだけで勝ちなのだ。ここまではほぼ必須能力。
得点能力
走塁における判断力は必須。局面での進塁や本塁突入が成功するか失敗に終わるかは「流れ」に大きく左右する。他の打順の選手にも同じことが言えるが、1番に座る選手には試合の流れを左右するセンスも求められる。相手守備陣形に隙があればバントヒットを狙ったり、構えだけでもブラフになるため効果はある。盗塁能力もあると心強い。
安定感と体の強さ
当然ながら、ゲームが始まり最初にバッターボックスに入る打者となる。極端な話、チームの顔・ルーティンといっても良い。強いチームになるには上位打線を固定することが望ましいとされるが、1番打者の固定は3番4番の固定と同じくらいの価値だと考える。1番打者が調子に大きく左右されたり、体力的な弱点があり万全を保てなかったりだとチームが困る。例えば草野球でも、毎回来るか来ないか分からないような選手には上位打線は務まらない。
右か左か
できれば一塁に近い左が理想的ではあるが、右の適任者がいるなら右でも充分。全く同じ能力で左右一人ずついるとしたら「1番が右・2番を左」がいいかもしれない。1番打者の盗塁をアシストしやすい、エンドランのサインを出しやすい、1番2番での併殺が減るなどの理由から。
仕掛け
相手投手の立ち上がりはできるだけ球数を投げさせたいもの。待球とまではいかないが、好球必打の中で状態を見極められればベスト。初球を鮮やかにセンター前!となるとチームはリズムよくスタートできるが、簡単にポップフライに倒れたりすると目も当てられない。ここは走塁と同じで判断能力も必要となる。あるいはチームとして指示が出るところである。
特殊なケース
1番打者を「0番打者」として考えるケース。打順としては含めず、2番打者から順に1番に適したタイプを組んでいく作戦。0番打者は身体能力は優れたものがあるが、チームの作戦にフィットしない場合。サインを出すより本人に任せた方が良い結果を生む可能性が高い場合。本人の性格にもよる。また相手が好投手の場合、貴重な長距離ヒッターの打席数を稼ぐために1番に配置する場合など。このような選手の場合、これまでのセオリーは一切説明がつかなくなる。マンガで言えば、最も有名なところで「ドカベン」の岩鬼正美。他にも「球道くん」の中西球道、「ラストイニング」の日高直哉、「ストッパー毒島」の本上博史、「ポンチョ」の大江慎弥などが挙げられる。
私的・理想の1番打者ランキング
(1)イチロー
(2)福本豊
(3)青木宣親
(4)松井稼頭央
(5)石井琢朗
(6)秋山翔吾
(7)山田哲人
(8)高橋慶彦
(9)赤星憲広
(10)真弓明信
(他候補)広瀬叔功、大石大二郎、坂本勇人、石毛宏典、西岡剛、高橋由伸、野村謙二郎、(大谷翔平)
今日本代表チームだと誰が1番に座るのでしょうか。代表クラスに絶対的な1番打者はヤクルトの山田ぐらいで、その山田も打順は2番で調子を落としている。他に1番での出場が多い選手だと日本ハムの西川、DeNAの梶谷がいるが調子も今ひとつ、好調のロッテの荻野は違和感で抹消。阪神の近本は好不調の波が激しく売りである盗塁も成功率が芳しくない。打撃成績であれば楽天の茂木がバランスよいがショート坂本とポジションがかぶる。いっそ柳田を1番に持ってくるとかアリかも。
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